ペルソナとは?マーケティングにおける意味や設定方法、活用方法を解説
マーケティングを行う上で欠かせない概念の一つに「ペルソナ」があります。
ペルソナとは、自社の商品やサービスの典型的なユーザー像を具体的に表現したものです。
ターゲットとの違いや、なぜ重要視されているのか、設定方法や活用事例まで、ペルソナについて詳しく解説していきましょう。
ペルソナとは
ペルソナとターゲットとの違い
ペルソナとターゲットは、どちらもマーケティングにおいて重要な概念ですが、その意味合いには違いがあります。
ターゲットとは、商品やサービスの対象となる顧客層を指すのに対し、ペルソナは、そのターゲット層の中でも典型的なユーザー像を具体的に表現したものです。
例えば、ターゲットを「20代から30代の女性」と設定したとします。
一方、ペルソナは「28歳の会社員女性、趣味はヨガとカフェ巡り、健康志向が高い」のように、ターゲットをより具体的に、人物像として表現します。
ペルソナが重要視される背景
近年、ペルソナがマーケティングにおいて重要視されるようになった背景には、いくつかの理由があります。
まず、市場の多様化が進み、画一的なアプローチでは効果が得られにくくなったことが挙げられます。
また、データ分析技術の発達により、顧客一人ひとりのニーズに合わせたアプローチが可能になったことも大きな要因です。
加えて、顧客中心のマーケティングが主流となり、顧客のニーズを深く理解することの重要性が増してきました。
ペルソナを設定することで、顧客の立場に立ったマーケティング施策を立てやすくなるのです。
ペルソナ設定のメリットとデメリット
ペルソナ設定のメリット
ペルソナを設定することには、いくつかのメリットがあります。
メンバー間での認識共有
ペルソナを設定することで、社内のメンバー間で顧客像の認識を共有しやすくなります。
マーケティング施策を検討する際に、全員が同じ顧客像を思い描くことができるため、意思決定がスムーズになります。
ユーザーニーズの明確化
ペルソナを通じて、ユーザーのニーズや課題を明確にすることができます。
これにより、そのニーズに合った商品開発やサービス改善に役立てられます。
マーケティング施策の精度向上
ペルソナを意識することで、マーケティング施策の精度を上げられます。
例えば、広告の配信先や訴求内容をペルソナに合わせて最適化することで、よりターゲットに刺さるアプローチが可能になります。
ペルソナ設定のデメリット
一方で、ペルソナ設定にはデメリットもあります。
作成に時間と手間がかかる
信頼できるペルソナを作成するには、十分なリサーチと議論が必要です。
社内の関係者を巻き込んで時間をかけて作り込む必要があるため、手間がかかります。
ターゲットが広範な場合、複数のペルソナ設定が必要
商品やサービスによっては、ターゲットとなる顧客層が広範であることがあります。
その場合、代表的なユーザー像を一つのペルソナに集約するのは難しく、複数のペルソナを設定する必要が出てきます。
ペルソナの数が多くなると、管理や活用が煩雑になる恐れがあります。
ペルソナの作成方法
ペルソナ設定の手順
ここからは、ペルソナの作成方法について見ていきましょう。
基本的な手順は以下の通りです。
企業属性の定義(BtoBの場合)
BtoBの場合、まずはターゲットとなる企業の属性を定義します。
業種や従業員規模、売上高などを明確にしておきましょう。
担当者属性の定義
次に、ターゲット企業の中でも、特に自社の商品・サービスに関わりの深い担当者の属性を定義します。
役職や職種、意思決定権限の有無などを整理します。
ユーザー像の具体化
企業属性と担当者属性が定まったら、そこから代表的なユーザー像を具体化していきます。
基本的な属性に加え、普段の業務の様子や、課題意識、興味関心などを盛り込むのがポイントです。
※BtoCの場合は、最初から個人の属性とユーザー像を具体化していきます。
氏名・顔写真の追加
ユーザー像が明確になったら、最後にそのペルソナに氏名を与え、顔写真を添付します。
あくまで架空の人物像ではありますが、名前と顔が与えられることで、ペルソナがより身近な存在として意識されるようになります。
ペルソナ設定に必要な情報と収集方法
信頼できるペルソナを作成するには、ユーザーに関する正確な情報が必要です。
情報収集の方法としては、以下のようなものがあります。
・アンケート調査
・インタビュー調査
・WebサイトやSNSの行動分析
・営業担当による日々の顧客とのやりとりの記録
定量的なデータと、定性的な情報をバランス良く集めることが大切です。
データの偏りには注意が必要ですが、一方で情報を集めすぎて本質が見えにくくならないよう、適度な粒度で情報をまとめるのもポイントです。
ペルソナ作成・活用時の注意点
正確なユーザー像の定義
先にも触れましたが、ペルソナ作りにおいては、信頼できる情報に基づいてユーザー像を定義することが何より重要です。
思い込みや偏見に基づいてペルソナを作成してしまうと、実際のユーザー像とかけ離れてしまい、マーケティング施策が的外れになってしまう恐れがあります。
必要十分な情報の設定
ペルソナ像は具体的であればあるほど良いと考えがちですが、情報を盛り込みすぎるのは逆効果です。
あまりに細かすぎる情報は返って本質を見えにくくしてしまう可能性があります。
必要十分な情報に絞ってペルソナ設計を行うことが重要です。
定期的な見直し
一度作成したペルソナも、時間が経てば実情と合わなくなる可能性があります。
特に昨今は社会の変化のスピードが速いため、定期的にペルソナを見直し、必要に応じてアップデートを行うことが求められます。
先入観や思い込みの排除
ペルソナ作成時には、自社側の先入観や思い込みを排除することが大切です。
「こういう人たちに使ってほしい」という理想像ではなく、実際にその商品・サービスを必要としている人たちの姿を想定する必要があります。
ペルソナ設計のコツ
現実的な人物像の設定
説得力のあるペルソナを作るコツは、リアリティのある人物像を設定することです。
「こういう人もいそう」と共感を得られるようなキャラクター設定を心がけましょう。
「35歳独身男性、趣味はゴルフ」といった属性も重要ですが、「仕事のストレスから解放される時間が欲しいと感じている」といった内面的なニーズも含めると、人間味のあるペルソナになります。
シンプルな設計
ペルソナの情報は詳細になればなるほど良いわけではありません。
むしろ、シンプルであることが重要です。
多くの関係者が理解しやすいよう、必要最低限の要素に絞ってペルソナを設計するのがおすすめです。
ペルソナ活用の事例紹介
ここからは、実際にペルソナを活用している企業の事例を見ていきましょう。
BtoBにおけるペルソナ活用事例
【事例1】 IT システムの導入を検討する企業向けにペルソナを設定
・ペルソナ像:「40代男性、システム部門の課長。社内のレガシーシステムの運用に課題を感じている。」
・活用方法:ペルソナの課題意識に合わせて、自社システムの導入メリットを訴求する資料を作成。営業担当が商談の際に活用。
BtoCにおけるペルソナ活用事例
【事例2】 オーガニック化粧品ブランドのペルソナ設定
・ペルソナ像:「32歳女性、小学生の子供を持つ主婦。子供にも使える安心・安全な化粧品を探している。」
・活用方法:ペルソナをイメージしたInstagramの投稿内容を工夫。商品の安全性を強調するコンテンツを発信。
まとめ:ペルソナはマーケティングの羅針盤
ペルソナとは、マーケティング活動における重要な指針となるものです。
ターゲットとなる顧客像を明確にし、具体的な人物像として落とし込むことで、顧客目線に立ったマーケティング施策を展開することができます。
一方で、ペルソナの設定には時間と手間がかかるというデメリットもあります。
しかし、その分、ペルソナを活用することで、マーケティングの精度を高め、ビジネスの成果につなげることができるでしょう。
ペルソナ作りには情報収集と分析、関係者間の議論が欠かせません。
ぜひ本記事を参考に、自社のマーケティング活動にペルソナを取り入れてみてください。
顧客理解が深まり、マーケティング施策の質が高まることは間違いありません。
ペルソナはマーケティングの羅針盤です。
ペルソナを指針として、顧客に寄り添ったマーケティングを展開していきましょう。
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